コラム140 発言力と涙

2011 / 01 / 14 · No Comments

『あの意見は、一理ある!おまえの言う通りなのだが、
もっと米の売上を増やしてから言え!』
米屋を始めて、生意気ざかりの、ある会議での
私の発言に対しての長老からの助言であった。
同業者間では、発言力は販売力に比例するんだと
思わされた一言である。
以来、扱う商品は売上数を上げなければ
ならない事が解った。
同業先輩の売上をぬいたと思った時から、私の発言は、
ことごとく反対され、無視されていると感じた。
ねたみややっかみの中にいると、日常感じていた。

ある会議が終わり、いつものように、皆の後をついていき、
コーヒー店に入ったが、何か冷たい空気が流れている。
仲の良い同業者が、小声で
『今日は、フジイさんをここへ呼んでないんだ。』
と言った。
いつも、私の事に反対意見の先輩を始め、
実力者数名も集まっておられた。
私と彼等の間に透明ガラスがあるようだ。
彼等の体温を感じない。
彼等の心音が聞こえない。
私は村八分状態である。

プラッシー1000ケースの注文をしたり、
我店で客を集めてのイベントをしたり、
私の意地の商売が始まるキッカケでもある。
今まで商売を続けられているのは、あの長老と、
透明ガラスの向こう側におられた同業者のおかげである。
その後、あの反対意見の先輩が、ある事がキッカケで、
謝りに来られた。私を仲間ハズレにしたのは、
彼が旗降り役だったが、
『フジイは誤解しとる!ワシも悪かった。』
(五階も六階もあるかい!俺は負けへん!)
が、その後は彼の為にいろいろ協力した。
いまでは感謝されていると思う。

先日まで仲良くつきあっていた友が、
私との間に透明ガラスを置いた。
いつもと違って心音が聞こえない、こんな場面が
以前にもあった。あの時だ!あの同業先輩のあの場面、
今は彼を許して献身的に付き合っている。
誤られただけで、許してしまう私だが、
あのクヤシイ、あの時の空気が今、
この友人から感じられる。ああ、あの時と同じ空気だ。
気が弱くなったのか40年程前の涙が一気に溢れ出た。
その友人の前で涙を見せるのは二度目である。

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コラム139 年賀状考

2011 / 01 / 07 · No Comments

あけましておめでとうございます。

シャッターと、内ガラスの間に分厚い年賀状の束。
毎年の事ながら、元旦から年賀状書き。
今だにパラパラとくる。もらう方としては・・・。
正直、元旦に来るのが一番嬉しい。
正直、一言でも自筆の文が添えられているのが嬉しい。
正直、こちらの様子を気づかった文が
書かれているのが嬉しい。
正直、表の宛名書きも、裏面の絵や文までも
印刷されていないで、自筆なのが、嬉しい。
とは言っても、どんな年賀状でも貰えるのは嬉しい。
一方表も、裏も、印刷文字だけなのは、何か寂しい。
しかも、幸せそうな差出人の写真を見せつけられるのも、
不幸(?)な状態の私には・・・。
同じ友達グループなのに、同じ文面の中に
女性宛だけに愛想文が添えられているのを見た時には、
『何んだあ~』である。
・・・とは言いながら、私は、もらった年賀状を1枚1枚見ながら
元旦から徹夜状態でセッセッと書いている。
したがって、元旦に着かない相手さまには嬉しさ半減の
年賀状になっている。ゴメンナサイ!

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コラム138 やっときたクリスマス

2010 / 12 / 28 · No Comments

『何人ですか?』『4人です。』
『今日は、クリスマス用のコース料理だけになってますが・・・
ペアーコースとスペシャルコースです』
『コース料理だけ?』
『すみません。クリスマス期間中なので・・・。』
4人が顔を見合わせた。
でも今から、この店のように朝5時まで開いている
店をさがすのも大変。
俺が、他の3人を意見押えて、ここにしようと
決めてしまった。
この食事、キャビア、トリュフや、イカ墨の料理やら、
今まで食べた事のないのがドンドン出てくる。

『フジイさん!夕飯食べたあ~?』
いや、まだ!
『じゃー、一緒に食べに行こっ!』
OK!OK!
3人の美女に誘われ、断わるてはない。
俺にも、やっときたクリスマス。
先ず、助手席に座ってナビゲーターの役を
引き受ける。
食事の前に、御堂筋イルミネーション見物に
付き合う事に。淀屋橋あたりから、車がノロノロ。
お陰で、夜のスローなロマンチックドライブ。

子供の頃から、クリスマスが近づく度に、
暗い気持ちになってくる。
プレゼントを貰うこともなく、大人になっても商売を
始めても、この年末時期、仕事が忙しくなるだけ。
クリスマスケーキの売れ残りを買って来て
その切れ端とインスタントコーヒー。
世の中が楽しく騒げば騒ぐ程、こちらは、
うっとおしい気持に・・・。
今年も、ひねくれた俺はイブから始まって
仕事!仕事!と自分に気合を入れて頑張っていた。
食事にいきません?
と誘いがかかって、永くいきてりゃ、はしゃぐ事もあるんだ。
その高級レストランに行けたのも、
そのレストランに出入りされているEXILEさん達に負けない
位ラッキーな思い。
その店のフロアチーフを俺達の話題にまきこみ、
リッチな食事。
お誘いくださった3人の美女さん達、有難う!
いいクリスマスだったよ~!

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コラム137 クリスマスイブ異聞

2010 / 12 / 24 · No Comments

大阪市西成区・・・。ナビに住所を入れ、
大阪市内中心部に向って走り出した。
ナビが頼りの新規開店への米の納入である。
今日はクリスマスイブ、金曜日、23日の
休み明けでもあって、淀川を越えて市の中心部に入った
ところから、ノロノロと車が進む。
『夕方5時までに納入してくれ!』との要望に
答えるために走り出したが、この調子だと、
時間通りに着くかどうか解らない。
並走する車の運転手もあきらめ顔。
途中から高速道路に入り、注文先には、
なんとか時間ギリギリに納品できたが・・・。
帰りはいきなり阪神高速へ・・・。が・・・、
高速道路の入ったところから、ここもノロノロ。
これでは、高速道路の意味がない。

あれっ!この街、今日はなんだか暗い!
道路の右側の淀川沿いに広がるラブホ街。
あのいつも明るいネオンの花が消えている。
いつもの明るいネオンの海は、
今日は不気味な暗い海に・・・。

今日は、クリスマスイブ。

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コラム136 目

2010 / 12 / 17 · No Comments

『入ってきても、いいよ!』
更衣室の中から声がかかった。
米ビツは更衣室の奥にある。
米袋を肩にのせたまま、ドアの前に立ちどまる。
今、この店のパートの女性が着替中らしい。
『毎度!おはようございま~すっ!』
と店の中に勢いよく入っていき、何時もこの時間は
開いているドアの前まで来たのだ。
開き覚えのある中年の女性の
『入って来ても、いいよ!』である。
すぐさま、厨房におられる男性から、
笑いながらの横やりが入った。
『あかん!あかん!今入ったら、目が腐るで!』だって

目の前に、高さ10cm程の大きな門構えの
ようなカラフルなイルミネーションの門を入ると
道の両側の立木に、目を見張るばかりに
施された、黄金色のイルミネーションが並木道として続く。
京都のローム株式会社の敷地一杯に広がる
ファンドックスベースである。
小雨の中をゆっくりと事を進める。
前の車も、後の車も、ゆっくり、ゆっくり、キョロキョロ、
笑顔、笑顔である。

今朝、腐りかけた(失礼!)目が、
ここに来て、その夜はイキイキしている。
ここには昨年も連れて来てもらった。
今年も『グー!』である。
その後、京都の目で味わう食事も『グー』。

豊橋で私の話を聞いて下さった仲間が『目から鱗』
と彼のブログの中で評されていて、ありがとう。

『目は口ほどに、ものを言い』とは、
なる程と思われる昨今である。

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コラム135 忘年会のネコ

2010 / 12 / 10 · 2 Comments

二人並んで通れる程の階段を、一人で降りて行った。
大きめの引き手ドアを開けると、
カウンターの中の板場さんやら、数名のお客さんが
一斉にこちらを見た。
『お一人ですか?』
・・・・・  一寸うなずく。
『こちらへどうぞ!』
カウンターの入口よりの二番目の席へ。
コートを店員さんに預けて座った。
『お飲み物は?』
・・・ビールで・・・
・・・おなかがふくれているので、少し何か、
こちらでおすすめをにぎってくれますか?
『じゃあ五貫程でいいですか?』
・・・うん!
一人の客が、知らない店にフラ~ッと入って来て、
一寸大柄な態度を取っている私である。
『フジイさん!』
カウンターの一番奥から声が掛かった。
ドキッとそちらを見ると、この店の本社のオーナーである。
ありゃ!一見客を装って入った店に、顔見知りの
オーナーが奥さん連れでおこしだ。
急遽立ち上がり
『お世話になっています!フジイの米屋です!』
とカウンターの内側に起立しての挨拶である。
美味しいカツオのタタキまで
サービスしてもらっての赤面次第である。

この店のそばで異業種の会の忘年会があり、
若い経営者達の中で、借りてきたネコの
ように上目づかいの表情で、体良く名詞交換
などしていたが、皆は若くて元気があるので
今の日本情勢から離れた治外法権地区に
来た様に感じられる。
商売柄か、私の周りの暗い顔した経営者達など、
両方見ている私にとってフクザツである。

明日、又、忘年会。次はガラっと変ったムードの
忘年会を期待できそうだが、又、借りてきたネコになるか、
せめて貴賓のあるウマになるか、その又次の同業者の
忘年会まで、この悩みは続く。

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コラム134 流れ

2010 / 12 / 03 · 2 Comments

もう12月。
年々季節の流れが速く感じる。
今夏は、日本のあちこちで夜温が下がらず、
今年取れた新米は高温障害とかで、
背白、腹白が多く、米を見ただけでも
異常な夏だった事を証明している。
米は1年草。来年のとれ秋まで、これらの米と
付き合っていかなかればならない。
自然に逆らえない現実がここにある。
自然も、世界の情勢も、時代も、その時々が
流れている。その中で逆らって生きていくより、
流れに乗って、時流に乗って、流れを利用して、
うまく流れていかなければ・・・。
上手なサーファーが大好きな波に乗るように・・・。
TPP問題も、世の流れで逆らえない。
うまく利用できる方策を今から考えておかなければ・・・。
一方では、TPPの様に、グローバル化の流れ。
他方では、地産地消の流れ。
お互い相反する流れであるが、その流れの中で、
うまく泳いでいかなければならない。
外国産だからと、何でも安ければ良いとの人も、
高くても、安全、安心、美味い方が良い人も。
どちらの流れ、どちらの波。どれに乗るは、
早く決めてかからないと、中途半端は、
淘汰される。さあどうする?
方向を決めれば、方策は必ずある。
練ってみよう!

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コラム133 豊橋

2010 / 11 / 26 · No Comments

カーテンのすき間から、朝の光が入り込んでいる。
夜中に程良い酔いの中でセットしたアラームの音が、
まだ耳の奥に残っている。
ベットから降りて、カーテンを引き上げると、
案内灯におおいかぶさる様に明るい朝の光が入って来た。
豊橋駅の真上のホテル。
12階の部屋から遠くに海が見える。
街全体が、真青な空の下にある。
休日だからか、増したに見える街は動きがない。

東海道新幹線。『こだま』が止まる駅、豊橋。
北海道から沖縄まで含めると、地図上ではほぼ
日本列島の中心に位置する。
静岡文化圏、名古屋商圏間にはさまれた
この地での土曜の夜の米の勉強会。
比較的どこの影響も受けにくい好立地である。
東三河から我業界のあり方を発信できる消費地でもある。
我業界の原点に戻り、新しいシナリオが書ける。
そんな雰囲気を感じさせる街でもある。

名古屋で途中下車した。
以前から気になっていた同業の店にもおじゃました。
そこには数名の若い同業者の方々も見学にみえられていた。
この品川ナンバーの車に乗ってこられたのかな?
心の中で彼らにエールを送りながら・・・
その新しい型の店を後にした。

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コラム132 TPP

2010 / 11 / 22 · No Comments

TPP!TPP!と雀の鳴き声のようなセリフが、
あちこちから聞こえてくる。
助走もなしで、いきなり走れ!と言われたみたいで、
今度は国際的に走りださなければならない。
まあ、一次産業は大変だ。
米屋は国内的なTPPのようなものを経験済みだ。
規制緩和とかで、米など、どこでも売れる。
どこでも買える。スーパーや量販店、ドラッグストアに食材屋。
その上米産地からもドンドン我店のまわりに入ってくる。
米業界はとっくにTPPNの国内版を経験している。
大阪府の小売組合員は15年程前に3200店舗あったのに、
今は1000店舗きれている。
まだまだ減る一方で、米の専門店は無くなってきている。

今、TPPの対応向けて、良い農産物さえ作っていれば
生き残れる。生産コストをもっと下げて頑張れるなど
若い生産者を中心にマスコミの中でおっしゃられている。
頑張ってほしいと思う反面、そう甘くはないぞ!とも思う。
どちらにしても、しっかり方向を考えないと大変。
その方向ありきで、アクセルを踏みすぎないように
願っているのは私だけか?

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コラム131 真実は雄弁

2010 / 11 / 05 · 4 Comments

漁船の衝突場面がネット上で流された。
sengoku38氏、ヤッタネ!
あなたは、我一般国民の英雄だ!
我日本の法律にのっとって、知る権利を持つ
一般国民に、この事実を等しく知らしめてくれたのだ。
事実は雄弁である。
故意に衝突したと思われる船長が、
Vサインをしている場面がテレビに流された。
彼が国に帰った時は英雄気取りに見えた。
sengoku38氏によって流された画像を見て、
我国は、すぐさまあの画像を流さなかった理由は、
おろかな私には解らない。
それによって我国が国際社会の中で不利を得るのなら、
どうしてそうなるのか?
他国又は国民の一部が危機管理がどうのこうのと
言われているが、この場合、どう考えても、始めから
全面公開するべきではなかったかのか
なぜ、一部始終を公にしなかったのか?
あの船長自身の、単独個人行動だったのか、
彼の所属組織がそうそうさせたのか?
どちらにしても、相手にどんな言い訳があろうとも、
こちらが聞く耳を持って対処すれば良いと思うのは、
私だけだろうか?

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